ポケモンとの生活を夢見たことがあるなら激オススメ「帰ってきた名探偵ピカチュウ」レビュー

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忙しくてクリアからかなり時間が経ってしまったが、予告通りレビュー記事を書いた。

ポケモンとの共生」描写がたまらない

"人間とポケモンが共生する街「ライムシティ」。"
公式サイトの「ストーリー」の項目の1文目だ。「共生」という単語はプロモーション段階から触れられており、そこに惹かれて「ポケモン世界について理解を深めたい」というのが大きな購入理由となった。
プレイを開始すると、前作の振り返りの後、タイトルが出て最初のセリフがハワード市長の「ライムシティのみなさんと ポケモンとの 新しい共生を考えるため 本日より ポケモン友好週間がはじまりました」となる。
ストーリーもポケモンとの共生を正面から描いているが、内容はプレイしてのお楽しみ、としたい。
作中ではごく自然に、ポケモンとの共生の例が描かれている。
カフェに単独でコーヒー豆を買いに行くおつかいをするコアルヒー(さすがに支払いはツケで人間がしているのだろうか)、花屋で水やりをするインテレオン、清掃員のパートナーとしてゴミを食べるダストダスなど。もちろん、ただ話を聞いたり、可愛がられたりするだけのポケモンもいる。これも共生だ。
作中の描写では、ポケモンには低いものでも幼児以上の知性があり(種や個体によってはもっと高い)、実際の動物以上に人間のパートナーになれるし、野生のポケモンも人々の生活の一部となっている。
また、メインとなるポケモンはもちろん、ただ話しかけられるだけのポケモンであっても、初登場時にキャッチコピーが表示されるのも興味深い。
本作をプレイすれば、ポケモンとの生活を、よりハッキリした輪郭で描けるようになるだろう。

推理ゲームとしては「可」

個性の異なる複数のユニットを操作して情報を集め推理するのが面白そう、というのがもう一つの購入理由だった。
クリアしてみると、推理ゲームとしては、優良可不可の「可」。良く言えば小学生から楽しめる。
簡単なのだ。私が一足飛びに結論を求めようとしているのか、推理の選択肢が微妙にしっくりこないこともあったが、選択を誤ってもペナルティーは一切ないのでストレスはない。
自ら謳うジャンルは「シネマティックアドベンチャー」なので、推理は売りではないということだろう。

若干のボリューム不足

極力全ての場所を調べ、全ての人物・ポケモンに話しかける、かなり丁寧なプレイを行ったが、最後のオートセーブのプレイ時間は「12時間20分」。クリアまでは恐らく12時間30分程度だろう。ミニゲームやエンドコンテンツは一切なし。
希望小売価格パッケージ版 6,578円(税込)、ダウンロード版 6,500円(税込)でせいぜい13時間しかプレイできないというのは、大作ゲームをプレイすることが多い私には若干ボリューム不足に感じる。「ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム」(希望小売価格パッケージ版7,920円(税込)、7,900円(税込))のプレイ時間13時間の進行度を考えると、コストパフォーマンスが悪いと言わざるを得ない。
コスパを抜きにしても、単純に、もっとライムシティでポケモンとの共生を味わっていたかった。

Q前作やっていないor映画見ていないけど大丈夫?

A.前作は私もやっていない。冒頭に簡単な振り返りがあるので大丈夫。
映画オリジナル展開が本作と被っているので、映画は見ていない方が本作を楽しめるかもしれない。

結論

ポケモンとの暮らしを妄想したことがあるならぜひプレイすべき。推理・謎解きADVをしたいなら他のゲームの方が良い。